いよいよゴームクへ

5月23日木曜日、4時半に起床し、6時半にお粥と味噌汁の朝食。出来ればと願っていた「タポバン」行はやはり氷河の状態が良くなくて危険を伴うので中止することとなり、全員一緒にゴームクまで行くことになる。8時前出発!ゴームク(3,892m)までは片道約3km。キャンプ地「ボジバサ(3,790m)」から更に高度が上がっていく。

路は石がごろごろと歩きにくい。平坦な道に来るとほっとする。すぐに汗ばんで来て、喉が渇く。何度も立ち止まり水分補給する。

シバリンガ山(6,543m)が臨める場所で休憩。すっとそびえ立つ姿に思わず手を合わせ祈る。

上り坂になると息が切れる。はぁはぁと呼吸が速くなる。空気が薄い。血中酸素濃度が下がる〜!!何度も深呼吸する。

空が真っ青に輝いている。最高のお天気!こんな綺麗な空を見たのは生まれて初めてだわ!と、何度も見とれる。

しかしその分紫外線が強い。鼻を火傷してまっ赤になってしまった人が何人もいた。私はいっぱいクリームやらなんやら付けてガード完備。先を歩く仲間が岩と同じくらい小さく見える。まだまだ歩かなくては!

こんなところにもサドゥがいた。鐘を鳴らして祈る。ドネーションの箱があり、10ルピー入れる。結構儲かる?

もう少しでゴームク!こころが逸る。一層息が上がる。

じゃ〜ん!!ついについにゴームク到着!!どれぐらい歩いたのか時間を確認し忘れたが、休憩をいっぱいして、多分2時間半近くかかったか。ゴームク、牛の口の形をした氷河の穴?からガンガが生まれている。灰色のガンガの流れに氷片が混ざってきらりと光る。やっとここにたどり着いたという安堵感がこみあげてくる。感動で叫びだしたい思いを抱え、夢見た場所に今、やっと私は立っている、今をしっかりと抱きしめる。
氷片の混ざる生まれたばかりのガンガの水で沐浴をする。木村先生の手で頭からしっかりと清められていく。合掌をした手に力を込め、冷たいガンガの水を全身が受け止めていく。

木村先生の誘導で、全員河原に座して瞑想する。閉じた瞼の裏に、牛の口から湧き出すガンガが見える。すべてはここから始まる。そのエネルギーをみんなに送りたくて、私の家族や友人や、公民館の生徒さんや、スタジオの会員さんや、一人一人の顔を思い浮かべ、今、この瞬間の想いを、エネルギーを送り続けた。全てに支えられ今の私がある。感謝の思いが溢れ、胸一杯に広がっていった。深い瞑想から目覚めた時、この場所にいる今の幸せが再びこみあげてきた。この瞬間をきっと私は死ぬまで忘れないだろう。そう改めて思った。
みんなで梅干し入りのお握り2個とボイルしたじゃが芋2個のお昼を食べ、河原の石や砂?を拾ったり、記念写真を撮ったり、思い思いに時を過ごし、憧れのゴームクを後に、キャンプ地へ戻って行った。

さっき来た道を帰る。下りは上りの半分くらいの時間。どんどん遠くなっていくゴームクに後ろ髪を惹かれながら、行けなかったタポバンへの想いを抱えたまま、キャンプ地へ戻った。その夜は疲れ切って爆睡。翌日は1日早くガンゴトリーへ戻ることになる。修行の旅はまだまだ続く。