春が来た

いつの間にか春がやってきて、桜がいきなり咲いてしまった。やっと3月も中旬を過ぎた頃だと言うのに。あの寒い寒い冬からこんな風に突然春がやって来るなんて、誰が想像しただろうか?予測不能の気候に少し振り回されている。

マンション前の枝垂れ桜が8分咲き。今週末には本物の?桜が満開になるのかな?マジで?!ここんところ仕事が益々忙しくなって、おまけに大ドジで怪我をしてしまったこともあって、「和日記」はすっかりご無沙汰になってしまった。
最近、と言ってももう半年くらい前から、友人から勧められてフェイスブックも始めた。ショートブログみたいで、気軽に今の自分の思いを伝えられて、また瞬時に仲間たちからの反応もあって、「これはブログをちまちまやってる場合ではないかも・・・」と思ったりで、じっくりパソコンに向かい、「和日記」を書くことからすっかり遠ざかってしまった。
どうなんだろう?全く見えない人を相手に自虐的?日記を書き続けるか?コメントを載せたら、すぐに「いいね!」と反応があるフェイスブックに向かうのか?それもこれも時代の流れ・・・思いを書いて投函してから、その返事が届くまで一週間以上の時間を要した時代から、電話、ファックス、そしてインターネット。ブログからツイッター。より便利により早く、情報は流れていく。いつの間にか自分もそんな流れに乗せられてしまっていることに改めて気づく。

少しゆっくりとしてみたいと思う。友人に手紙を書いてみたいと思う。不特定多数の人に語るのではなくて、あなたに話したい言葉を大事にしたいと思う。さて、誰に手紙を書こうか・・・大好きな松浦弥太郎さんの著書「あたらしいあたりまえ」に旅の途中で思いついて紙を1枚取り出して、友達の名前を書いていくことにしたというくだりがある。「誰を一番に書こうかな?」と迷い、最初の一人の名前を書いたものの「へぇ、この人の名前が一番なんだ」と驚いたという。私ならどうだろうか?自慢ではなく友だちと呼べる人はそう多くはない。むしろ少ないからそんなに迷わない気がする。その数少ない友人が、体や心の病の只中にあったりする。生まれてから62年目の春。桜をこれから何度眺めることが出来るのだろうか?残りの春を数える歳になっていることを重く受け止める日々でもある。
友人から借りた小津安二郎監督のDVDを観続けている。「東京物語」「麦秋」「晩秋」「父ありき」「風の中の牝鶏」「一人息子」「戸田家の兄妹」「お茶漬の味」「長屋紳士録」全9作品が入ったこのDVDの値段にも驚いた!わずか1980円。時間を見つけては観続けている。懐かしい昭和の景色が、昭和人の心の有りようが胸にずんと響く。映像も素晴らしい。未だに世界中の映画監督が手本にする小津ワールド!!
笠智衆、原 節子、東山千栄子淡島千景・・・演じるという枠を超えて、その存在すべてが役者であり続けた人たちだった。こんな世界観を超える映画がこれから生まれるのかな?これからも大好きな映画世界をずっと見守って行こう。
今は少し「和日記」はお休みをして、またゆっくり私の心情を語りたいなと思ったら、再びのこの道に戻ってこようと思っている。
いつも一歩一歩、小さくてでも確実な歩みを忘れずに続けていこう。