冬来たる週末

急に寒くなりました。慌ててストーブを出して灯油を入れて、この冬初点火?!した土曜日。今週はまた一気に気温が下がるとか。暦も最後のページ、師走となって、「冬来たる!!」実感の週末。
先週末の日曜日から別府に入り、翌日の月曜日から木曜日の朝まで、高齢の母が一人で住んでいる、かっては鉱山で栄えた県南の村に帰っていました。
姉から手渡された今回の帰省ミッションは四つ・・・カボスの最終収穫、表側の窓ふき、二階の部屋の掃除、そして母の薬貰いも兼ねた病院での検診。

村の紅葉はほとんど終焉を迎えていて、家の店先(たばこ屋です)には近くの名水館(沸かし湯処)前に立つ紅葉の落葉が、吹き溜まり状態で集合していた。散りゆく秋、晩秋から初冬へ逝きすぎる季節の境目にあった。久しぶりの母んち。仏壇の前に座り、逝ってしまった祖父、祖母、そして父に真っ先に挨拶をする。「お父さん、ただいま!帰って来たよ!」
お盆以来3か月振りに会った母は、一層動きが緩慢になり、同じことを繰り返して言う回数が増えていた。

翌日母を車に乗せて薬を貰いに病院に行った。ついでに検査もして貰って、その数値を知らせるようにと姉から言われていたので、「薬だけでいいです」という母を制しつつ、「検査お願いします!」とミッション遂行!糖尿病の持病がある母。ヘモグロビンa1cの数値が少し下がっていてほっとする。すぐに姉にメールで知らせる。
お昼は「うめりあで食べようか」という母の提案に車を走らせて、この近辺では唯一の観光名所?お立ち寄り処、道の駅「うめりあ」に行く。

久しぶりに母と二人、お外でランチ!!私は名物「だんご汁定食」母は「しし卵丼」を頼む。だんご汁とは小麦粉をこねて寝かした後、手で伸ばした麺(名古屋のきし麺に似ている)と、里芋や人参、椎茸、白菜やカボチャなど旬の野菜もいっぱい入ったみそ味の汁で、かっては母の自慢料理のひとつであった。
「お母さんが作っただんご汁が懐かしいわ」と言ったら、「もう作り方も忘れたわ」と母。片手で魔法のように麺を捻り出していた?かっての母の姿を思い出して少し胸が熱くなった。あの時の母はもういない。
母が頼んだのは地元で獲れた猪肉の卵とじ丼ぶり。母の好きなやや甘め味。結局残した母の分も食べ、満腹で完食!

翌日は少し離れた裏の山?でカボスの最期の収穫をして、「ダツ(竹で編んだ背負い籠)」に一杯のカボスを入れ、気合入れて背負って持ち帰る。強靭な腰もほとんど限界状態になる。そして絞り機でカボスの果汁を絞り出す。右手が悲鳴を上げる。手首の血管が腫れ始めたころやっと1リットル分の果汁を絞り終わる。田舎の生活は体力勝負!高齢の母が出来ることが年々なくなっていく。
窓ふきもした。二階の三つつなぎの三部屋も掃除機をかけ、廊下、床の間も雑巾で隅々まで拭いた。母の食事も10食近く作り置きをした。月曜日から3泊4日まったくよく働いた。ほとんどくたくたになるまで働いた。
木曜日の朝、「また帰っておいで」と母に見送られて、一人4時間近く車を運転して福岡に戻った。
帰りついた夜、母に電話をした。「今、夕飯を食べて片づけようとしていたところだった」と母。あの家で一人夕飯を食べている母の姿を想って胸が痛くなった。仕方ないけれど、いろいろと辛くて痛いことばっかだなと思った。
でも、生きているから辛かったり、悲しかったり、嬉しかったり、こころが感じることが出来るんだ!それを幸せと思って生きなくては!そう改めて思って、自分を元気づけたりした。
今週から一層忙しくなる。師走だから。今週もこころ丁寧に、想い温かく、一歩一歩。