空が一層高くなった日

週末の台風が結局大した影響もなく、すんなりと通り過ぎて行った。
再びの台風一過で空はまた一層高くなった。
忙しい日々からやっと解放された日曜日、入院中の義妹を見舞いに大分へ行った。
台風の影響でどんよりと曇った空をソニックの車窓から眺めながら、突然の病に倒れ、
未だ自分を取り戻していない義妹を思った。
いつもより大分が随分長く遠くに感じられた。
車窓から眺めた別大国道の向こうには真っ青な高い高い空があった。

大分駅に迎えに来てくれた姉と、帰省中だった姉の娘、藍ちゃんと一緒に病院へ向かう。
集中治療室からやっと個室に移ったという義妹は、たくさんのチューブに繋がれた
ままでベットに横たわっていた。
手術のために短く刈られた髪型がとってもおしゃれに似合っていて、思わず「かっこいいね!」と言ってしまう。問いかけると少し眠そうな眼ながらぱちりと開いた二重の眼も
素敵で、思わず「綺麗だよ!」と、細眼で不細工なわが身と比べての本音が漏れる。

「私は誰?」と聞いたら「う〜ん、わからん・・・」と、言われたけれど、いつかきっと、そう遠くない将来、そんな今を笑って語り合える日がきっとくる!!そう思った。
「今、一番誰に会いたい?」と問うた姉に、「う〜ん、誰にも会いたくない・・」と、
答えた義妹。
一番辛い時、誰に会いたいかって問われたら、私だったらどう答えるのかな?
きっと同じように答えるかもだね。「誰にも会いたくない」・・と。
最近、辻村深月著の「ツナグ」を読んだばかりだったから、余計に考え込んでしまった。で、再び自分に問う。本当に会いたい人なんているのかな???
即座に会いたい人を答えられる人って、実は本当に幸せなんかもだね・・・と思ったり。

とにかく峠は乗り越えた。
また共に語り合える日を信じて、今週も一歩一歩。
益々忙しい日々を大切に歩いて行こう。