彼岸過ぎて

お彼岸の22日は相変わらずのスタジオレッスンで、レッスン後お墓参りに
行かれる会員さんが、墓前の花を抱えて来られたり、「お彼岸ですから」と
おはぎの差し入れをいただいたり。
レッスンでも「今日はお彼岸ですね。お墓参りに行けない方は、ご先祖様を
想い、心の中で手を合わせましょう。」そう、最後に言葉を添えた。
で、私も、祖父母や父が眠る墓は大分県南の村にある。
レッスン後お彼岸の午後、今年も遠くから手を合わせ祈った。
どんなに暑い日々が続く残暑であっても、お彼岸のこの時期にはきっと咲く彼岸花
迷いなくすっと咲く姿に、教えられることいっぱい。

アジアフォーカス福岡国際映画祭も今日が最終日。いつもの日曜日より2時間近く
早起きして、パキスタンのショエーブ・マンスール監督の「BOL〜声をあげる〜」を
観に行った。159分、2時間30分を超える作品ながら一瞬たりとも気を抜けない重厚な
作品だった。
重い題材を扱いながら、最後まで観る者を強烈に惹きつけ、また深く考えさせられる
作品は、前作の「神に誓って」(2007年)と同様に、監督の描くテーマは宗教。
「BOL〜声をあげる〜」では父権因習に囚われたイスラム世界と宗教のタブーに
踏む込みながら、変革を求める歩き出した若者たち(特に女性)の姿を、
死と誕生というキーワードを軸に描いていて、今年の映画祭で観客賞に選ばれた。

上映後の監督を交えての質疑応答では未知の国パキスタンの今を、かなり厳しい
現実を知らされ、映画が語りかけるメッセージが一層胸に響いた。
あまりにも衝撃的な作品だったから、こころを整理するには少し時間が必要かも
しれない。
同じアジアの国にあってもこんなに異なる今がある。アジアの熱い風を改めて全身で
受け止め、心熱く問いかけ続けた時間だった。

答えは中々見つからず、私は相変わらず無力だけれど、でも、今を懸命に見つめ
考えようとする心がある。その心って大事だよね?!そう自分に問いかけながら・・・


夕方、今週初めからささやかに開催していた作品展の撤収に行き、今年の作品展も
終わった。観に来て下さった方の名前を記したノートに知人の名前を見つけ、ただただ
感謝しつつ、撤収作業をする。
また来年、この場所に同じように立っている自分がいるといいな。
全然上手くはなってないけれど、その時その時で懸命に向かい合っていた自分が
見える。そんな絵を来年もここで見ることが出来たらいい。それだけでいい。

クモ真下出血で倒れた義妹が、術後1週間、問いかけに自分の名前を答えた。
もう大丈夫!安堵しながら彼女の生命力に感動し、いっぱいの力を貰う。
今週も一歩一歩!